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甲斐駒ヶ岳
ー甲斐駒ヶ岳の麓に生きるー
南アルプスの北端にある甲斐駒ヶ岳(2,967m)。
駒ケ岳は甲信に誇る高山であり、懸崖数千尺の絶壁にして、
上古より神仙の集る霊山として知られ、富士山とともに古代
より人々が畏敬の念を抱き信仰の対象としてきた霊山である。
往古、聖徳太子に献上された天津速駒(あまつはやこま)
という白馬がこの山で生まれたのに因んで「駒ケ岳」と称さ
れるようになったと伝えられる。
この嶮岨な霊峰は、江戸の時代文化十三年六月、信濃国の
延命行者、小尾権三郎〔後の弘幡行者(こうばんぎょうじゃ)
・開山威力不動明王〕は幾多の苦難を克服し峻険なこの山に
始めて登山の途を開かれる。以来駒ヶ嶽教として発展。神社
の参詣のほか、登拜、修行を目的にしており、江戸の末期か
ら戦前まで活動がもっとも盛んであった。甲斐駒ヶ岳の登山
道のいたる所に建立されている石碑、霊神碑から、当時の熱
心の信仰の跡がうかがえる山でもある。
この地へ移住した時は、目の前にそびえし御山が甲斐駒ヶ
岳だともわからずにその美しさと雄大さに圧倒されていた。
日々向き合い様々な御山の表情を写すたびに甲斐駒ヶ岳をも
っと知り、常に関わって生きたいと思うようになった。駒ヶ
嶽教に属し、登拜、修行を通じて甲斐駒ヶ岳とともに生きる
写真家の御山作品。
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