この北杜の地には様々な野生動物が多数生息している。月

の輪熊、羚羊、猿、鹿、猪など。また無数の昆虫たちが日々

生きる為に行動している。

　移住するまで、自分が動物の写真を撮るとは思ってもいな

かったし、どちらかといえば虫も苦手な方であった。しかし

カメラを向けてみると中々面白いではないか！嫌々、風景写

真より面白いではないかい？

　野生動物の写真を通して、自然保護を訴える事があるが、

私は特別に訴えるつもりは無い。この地では猿は農家の敵で

あり、鹿も猪も兎も敵である。保護や共存なんて理想論であ

る。だからこそ私は何も言わない。傍観者である。ただその

姿を通して、見てもらいたい、考えてもらいたいのである。

正しい答えは、見る人の中にあれば良い。

　私はただ、自然の中で、動物に会いたいのである。写真を

撮りたいのである。願わくば、ファインダー越しに目が合い

野生動物と対峙したいのである。小さな世界もまた、その中

で起きている事を見たいのである。撮りたいのである。

​そんな写真家の野生の生き物の作品。